専門図書館290号(2018年7月)特集:医学・医療・健康にまつわる情報(詳細)

特集「医学・医療・健康にまつわる情報」にあたり【p1】
健康づくりをめぐる課題と対策の動向【p2-8】 福田 吉治 帝京大学大学院公衆衛生学研究科
健康寿命の延伸および医療・社会保障費の抑制を目的に、生活習慣病・NCDの予防と健康づくりが進められている。より効果的な健康づくりのためには、健康格差や健康の社会的決定要因の考え方を理解し、個人を取り巻く社会環境的要因を考慮しなければならない。特に集団全体や健康無関心層に対しては、行動経済学の応用が期待されている。また、医療ビッグデータの活用例として進められているデータヘルス計画は、新しい組織的な健康づくりの取組として注目されている。
病院図書室の新たな役割:マグネット・ライブラリーを目指して【p9-15】

佐藤 正惠 社会福祉法人恩賜財団済生会 千葉県済生会習志野病院 図書室

本稿では病院図書室司書の立場から、日本の医療の状況と司書の新たな役割を米国の例を交えて述べる。地域包括ケアシステム時代において、小規模な専門図書館である病院図書室が果たす役割を考察するとともに、利用者を惹きつけるマグネット・ライブラリーを実現するため、司書がプレイング・マネージャーとして戦略的に中長期計画を立て運営する事例を報告する。
図書館連携による健康支援事業「めりーらいん」【p16-22】

市川 美智子 榊原 佐知子 近藤 千春 愛知医科大学総合学術情報センター

愛知医科大学総合学術情報センターでは、近隣の4 つの公共図書館(尾張旭市立図書館、瀬戸市立図書館、長久手市中央図書館、日進市立図書館)と連携し、「めりーらいん健康支援事業」に取り組んでいる。2007年5月に開始したこの活動は11年目を迎えた。本稿では、事業開始のきっかけ、事業内容、課題、展望について報告するとともに、医療情報を取り巻く周辺環境について整理する。
インターネット時代の「医療情報」のあり方とは
 -オンライン医療事典「MEDLEY」が果たす役割【p23-27】 豊田 剛一郎 株式会社メドレー 代表取締役医師
医療情報はインターネット上に溢れているが、その信頼性は必ずしも高いとは言えない。オンライン医療事典MEDLEY(メドレー)は600人を超える医師が共同編集する医療情報サイトである。ユーザーは疾患、症状、医薬品、医療機関などの情報を網羅的に検索することができる。医師が記事を作り更新する体制によって、中立性が高く、最新の状態の医療情報を提供することができる。こうしたインターネットサービスの最新動向を通じて、インターネット時代における医療情報のあり方を考える。
「せりみっく広場」-文献からの副作用情報の提供
 ~医療関係者、一般の方へくすりの安全性に関係する情報をお届けします~【p28-33】

葉山 和美 一般財団法人 国際医学情報センター

インターネットが当たり前のものとなり、医療情報を掲載するサイトも多い。一般財団法人国際医学情報センター(IMIC)では、会員向けの安全性情報データベース「SELIMIC Web」のデータをもとに一般ユーザーを対象としたサイト「せりみっく広場」と「今月の症例」をIMICライブラリの1 コンテンツとして提供している。本稿ではこの2 つのサイトを紹介した。
医中誌Webとは -インターネットは強力な助っ人-【p34-39】 松田 真美 NPO 医学中央雑誌刊行会
「医中誌Web」とは、特定非営利活動法人 医学中央雑誌刊行会が、国内発行の医学および周辺領域の定期刊行物を収集し、一記事ごとに書誌事項を作成、更に抄録とキーワードを付加して編纂する医学文献情報データベースのインターネット検索サービスで、その起源は1903年に創刊された「医学中央雑誌」にまで遡る。1903年から現在に至るまでの歴史、現在の利用状況やサービ
スの内容、更に、取り組んでいる課題について述べる。
組織のトップが求めるインフォプロの役割=米SLA調査から【p40-43】豊田 恭子 バーソン・マーステラ
公益財団法人矯正協会 矯正図書館【p44-46】 神保 和子 ㈱ヴィアックス図書館事業本部
事業密着サービスと効率運営の追求【p47-48】

猪瀬 恵 パナソニックSNエバリュエーションテクノロジー(株)技術情報部

やってみよう図書館での医療・健康情報サービス 第3版【p49-50】 唐澤 良英 横浜未来看護専門学校 図書室
唐澤 良英 横浜未来看護専門学校 図書室
“サブジェクト・ライブラリアン=Subject Librarians:海の向こうアメリカの学術図書館の仕事【p50-51】

青木 玲子 独立行政法人国立女性教育会館情報課客員研究員

事務局だより【p52-53】事務局
各種セミナー報告【p54-55】事務局