255号特集 全国研究集会「専門図書館の今日的課題を問い直す」

□ 255号特集 全国研究集会
「専門図書館の今日的課題を問い直す」

平成24年度総会の概要について 【p.1-6】

平成24年度全国研究集会の概要について 【p.7-14】

基調講演:シゴトの渋滞とゆとり 【 p.19-22 】

西成活裕(東京大学先端科学技術研究センター教授)

無駄を省くことは仕事の効率化のために重要であるが、そもそも目的や期間設定などを明確に
しない限り何が無駄なのか決めることができない。そして逆にゆとりを持つことが無駄をなくす
ことにつながることもある。

第1分科会:企業図書館は発信する
1.企業規模と図書館のブランド戦略 【 p.19-22 】

村瀬菜都子(ラクオリア創薬株式会社 人事・業務統括部門)

図書館のサービスは資料の電子化に伴い、利用者の認知度が低下しているといわれている。弊
社ではリンクリゾルバの活用など図書提供のサービス・ツールの認知度向上に取り組んでいる。
そのいくつかの事例を紹介する。

第1分科会:企業図書館は発信する
2.企業図書館における広報活動 【 p.23-26 】

岡雅之(株式会社日本電気特許技術情報センター)

NEC特許技術情報センターが運営する図書館サービス業務は、2000年4 月にNECより業務移
管を受けて開始した。
この経緯と役割、運営するサービス業務を説明するとともに、実際に行っている広報活動を紹
介する。

第2分科会:埋もれている情報を求めて
1.空気を読んで論文を紹介する「論文ったー」 【 p.27-33 】

山田俊幸(明治大学 米沢嘉博記念図書館)

自分の開発した「Twitter上の空気を読んで、CiNiiで見つかる論文を、Twitterで紹介する
Twitter-bot」、「論文ったー」について、その機能と仕組み、反響と課題、およびコンセプトと
今後の展望について紹介する。

第2分科会:埋もれている情報を求めて
2.CiNii とLinked Open Data 【 p.34-39 】

大向一輝(国立情報学研究所)

近年、ウェブ上での情報公開における新たな潮流として、Linked Open Data(LOD)が注目さ
れている。本稿では、LODの概要と文化施設が取り組む意義について述べ、国立情報学研究所
が運営するCiNiiにおけるLOD対応の経緯を報告する。

第3分科会:今後の私立図書館の運営
1.私立図書館を巡る現状と課題 【 p.40-42 】

藤田節子(川村学園女子大学教育学部社会教育学科)

図書館法における私立図書館の規定について整理し、図書館法改正により私立図書館にも適用
されることになった『図書館の設置及び運営上の望ましい基準』の動向について概観する。

第3分科会:今後の私立図書館の運営
2.松竹大谷図書館の運営―公益財団法人への移行を終えて 【 p.43-45 】

須貝弥生(公益財団法人松竹大谷図書館 事務局)

?松竹大谷図書館は、公益法人制度改革にともない、公益財団法人に移行することを決め、平
成22年3 月に認定申請を行い、平成23年6 月に公益財団に移行登記した。公益認定にかなりの時
間がかかったわけだが、どういう点が問題となっていたのか、また今後も課題となっているもの
は何かを報告する。

第3分科会:今後の私立図書館の運営
3.お茶の水図書館の運営:一般財団法人への移行を目指して 【 p.46-49 】

田邉由美(財団法人石川文化事業財団お茶の水図書館/専門図書館協議会私立図書館小委員会委員長)

?石川文化事業財団お茶の水図書館は、公益法人制度改革に伴い、特例民法法人(旧公益法人)
から一般財団法人への移行を選択した。本報告では、当館の概要、制度改革に伴う課題、一般法
人へ移行した際の税法上の問題、及び専門図書館協議会私立図書館小委員会の活動について説明
する。

第4分科会:専門図書館における著作権ナウ
1.国立国会図書館における資料のデジタル化と送信サービス 【 p.51-55 】

廣瀬信己(国立国会図書館)

第180回国会(常会)における著作権法の一部改正により、市場で入手することが困難な資料に限
定してではあるが、国立国会図書館は、デジタル化した資料を全国の図書館等に送信し、図書館
等においては、閲覧・複写サービスを実施できるようになる。本稿では、国立国会図書館の資料
デジタル化のこれまでの歩みを振り返りつつ、平成21年著作権法改正、大規模デジタル化の実施、
平成24年著作権法改正という3 つの大きなエポックを概観し、今後の見通しについて紹介する。

第4分科会:専門図書館における著作権ナウ
2.TPP と知財立国と図書館運営 【 p.56-60 】

福井健策(骨董通り法律事務所 弁護士)

第4分科会:専門図書館における著作権ナウ
3.著作権Q&Aを改訂して 【 p.61-64 】

時実象一(愛知大学/専門図書館協議会著作権委員会委員長)

2002年に発行された専門図書館協議会発行の「著作権Q&A」は、その後の著作権法の改正、
著作権環境の変化により、改定の必要が生じていた。また2007年におこなった会員アンケート調
査にあった質問なども反映する必要がある。協議会著作権委員会の改訂作業の概要について述べる。

第5分科会:資料保存・修復の今日的課題を問い直す
1.最悪に備え、最良を計る―
被災資料復旧ボランティア活動からの提言 【 p.65-70 】

木部徹(東京文書救援隊事務局長)

東京文書救援隊(以下、東文救と略す)は今回の東日本大震災で被災した膨大な資料のうち、公
文書や古文書を中心にした紙媒体の資料の救助をサポートするボランティア・グループとして5
月初めに発足し、6 月1 日から正式な活動を始めた。活動の現状を述べる。

第5分科会:資料保存・修復の今日的課題を問い直す
2.西洋古典資料の保存と修復 【 p.71-76 】

床井啓太郎(一橋大学社会科学古典資料センター)

一橋大学社会科学古典資料センターで行っている保存活動について、現在の形で行われるよう
になった経緯から、修復、保存環境整備の実際までを紹介した。また、これまでの活動を通して
得られた経験から、組織的な保存活動を行うにあたって何が必要かを考察した。

第5分科会:資料保存・修復の今日的課題を問い直す
3.媒体変換の現場(所蔵資料の現在、そして未来のために) 【 p.77-81 】

添野貴史(㈱国際マイクロ写真工業社 MF技術部)

㈱国際マイクロ写真工業社は専門技術者として技術力・アイディアを駆使し、記録されている
情報を損なわず、将来に伝えるため最善を尽くします。情報の損失リスクを軽減するために、「資
料の媒体変換」・「分散管理」を提案します。

第6分科会:デジタル時代における新たなサービスの潮流
1.福井県立図書館 ツイッター・フェイスブックの歩みとこれから 【 p.82-85 】

宮川陽子(福井県立図書館)

福井県立図書館では、情報発信のツールとして、2011年5 月からツイッター・フェイスブック
を使用している。これらSNSを使うこととなった経緯、現在の運用方法、今後の課題について報
告する。

第6分科会:デジタル時代における新たなサービスの潮流
2.公共図書館におけるAPI 活用-「新着雑誌記事速報」を例に 【 p.86-89 】

長谷川拓哉(ゆうき図書館)

ゆうき図書館で作られ、導入した「新着雑誌記事速報」が、現在13館に導入されるようになる
までの経緯を「開発の背景」、「作成・運用マニュアル公開」、「導入の広がり」、「導入館および有
識者の反応」に分け、紹介する。

第6分科会:デジタル時代における新たなサービスの潮流
3.USTREAM とソーシャルメディアを活用した新たなセミナーの運営 【 p.90-94 】

林賢紀(農林水産省農林水産研究情報総合センター Code4Lib JAPANコアメンバー)

USTREAMほか様々な手法によりインターネットでの動画配信とTwitterのようなソーシャル
メディアの活用により、どのようにセミナーが運営されるか。本稿ではUSTREAMを取り上げ、
その事例や新たなセミナー運営について述べる。

平成24年度全国研究集会に参加して 【 p.94-105 】

第1分科会を中心に/神田亜希子((独)理化学研究所 神戸研究所 発生・再生科学総合研究センター図書室)
第2分科会を中心に/八尋和郎(財団法人九州経済調査協会 事業開発部長)
第3分科会を中心に/平松智子(財団法人矯正協会矯正図書館)
第4分科会を中心に/若杉茂(アステラス製薬株式会社 蓮根図書室)
第5分科会を中心に/住広昭子(東京国立博物館資料館)
第6分科会を中心に/小沢香穂里(NTT横須賀研究開発センタ図書館)

事務局だより【p.109-1112】