専門図書館268号(2014年11月)特集:外国から見た日本の専門図書館(詳細) 

特集「外国から見た日本の専門図書館」にあたり【p.1】
英国・欧州の日本研究図書館との関わりにおいて【 p.2-7 】イズミ・タイトラー(オックスフォード大学ボドリアン図書館附属日本研究図書館長)
 欧州から見た日本の専門図書館について、執筆者の所属する英国の大学図書館の一つである日本研究図書館が日本の専門図書館と業務上いかに密接に関わってきているか、当館の活動及び現状の紹介を交えつつ報告する。
その関わり方を情報、資料(モノ)、人的交流の3つの面から考察し、現状の知悉理解を促す一助として供すると共に、今後の連携・協力・支援を願うものである。
海外から見た日本の専門図書館―米国からも利用させてください。訪問を終えて思うこと―【 p.8-14 】
バゼル 山本 登紀子(ハワイ大学マノア校図書館アジアコレクション部)
大宅壮一文庫、教科書研究センター附属教科書図書館、防災専門図書館を訪問し、その資料・活動を知ることができた。
沿革、規模や運営方法、収集する資料や利用方法は異なるが、大学図書館にはない収集されにくい資料の宝庫である。
北米における日本研究のテーマは多様化し、日本に関する資料のニーズはさらに国を超え、分野を超えて求められていくであろう。
米国で日本研究を支援する日本研究専門司書から見た日本の専門図書館訪問体験を紹介しつつ、米国の大学図書館と日本の専門図書館がどのように交流し、協力していけるかを一考する。
オスロ大学図書館より 小規模国での日本学東アジア学支援【 p.15-21 】マグヌスセン 矢部 直美(オスロ大学人文社会学図書館)
オスロ大学図書館における日本学東アジア学の学習・研究支援は、北欧・欧州とのネットワーク、北米や日本からの協力なくしては成り立たない。
図書館側で日本語に対応できる人員が限られていても原語資料を必要とする学生・研究者がいるのが現状である。
そういった状況に対応するためには日本語書誌情報がローマ字でも検索できるようになることが望ましい。
また、電子資料が豊富になる中でそれらを正確に検索し、また提供できる状況が現在十分に整っているとはいえない。
日本や東アジアからの学生や研究者が北欧の大学に滞在し研究するケースも増えており、その上でも、単に北欧の学習者・研究者のみでなく一時滞在するこれらの図書館利用者に対しても、自国語資料をスムーズに提供できることが望ましい。
日本情報提供の最前線  ドイツの日本専門図書館からの報告【 p.22-27 】蓮沼 龍子((独)国際交流基金 ケルン日本文化会館図書館主任司書)
ケルン日本文化会館は1969年9月に設立され、国際交流基金のドイツ事務所としてドイツ語圏において日本に対する理解を深め、相互理解を増進し、文化・芸術、日本語教育、日本研究・知的交流を目的としている。
付設された図書館は中小規模ではあるが、ドイツの日本専門図書館としてILLを含む貸出、文献複写、参考調査などのサービスを行っている他、ドイツ語圏の日本専門図書館有志で構成されている日本資料図書館連絡会のネットワークを使って、業務協力・情報交換を行っている。
近年は英国Japan Library Groupとも主にNACSIS-CATにおいて協力関係を持っている。
日本の図書館ではNDL等、いくつかの図書館から主に出版物の寄贈・交換で支援をいただいている。
業務上の問題としては資料の入手であり、以前はILLでの調達が問題であったが、近年はデジタル化資料入手の希望の方が強い。
特に雑誌記事のデジタル化に関しては日本側の努力を望む。
欧州では日本専門司書は職場に1名配置のケースが多いことから、ネットワークはもとより、日本側からのe-learning、参加可能な研修・講習会の拡充を必要としている。
ごぞんじですか? 第93回【p.28-31】山口 佳奈(国立国会図書館)
専門図書館を見る第215回【p.32-36】山之内 義治(芝浦工業大学図書館)
私の仕事、わたしの一日第17回【p.37-38】小髙 和幸(全国都道府県議会議長会)
コレクション紹介第5回【p.39-40】澤村 容子(日本生命保険相互会社日本生命図書館)
資料紹介 山口 直比古(日本医学図書館協会)
資料紹介 木川田 朱美(桜の聖母短期大学)
教育プログラム関西「情報を加工・分析する能力を身につけよう!」セミナー報告【 p.44-46 】
持井 聡子(㈱カネカテクノリサーチ調査部)
平成26年度地方議会図書室等職員セミナー【 p.47-51 】垰 隆子(三重県議会事務局企画法務課 三重県議会図書室司書)
専門図書館員のための認定資格制度設立に向けて(3):求められる知識・技術とポイント制の詳細【 p.52-59 】
運営委員会認定資格検討小委員会
韓国専門図書館協議会(KSLA)2014年年次大会に参加して【 p.60-62 】 栗田 淳子((独)国際交流基金ライブラリー)
SLA 2014 Annual Conference & INFO-EXPO参加報告 境界線を越えて―専門家仲間と戦略を練り、人脈を作り、そして絆を結ぶ【 p.63-67 】
ススミタ・チャクラボルティ(米国専門図書館協会アジアンチャプター事務局長)/訳:澤田裕子((独)日本貿易振興機構アジア経済研究所図書室)
事務局だより 【 p.68-69】
各種セミナー報告 【 p.69-73】