専門図書館282号(2017年3月)特集:図書館向け電子書籍のいま(詳細)

特集「図書館向け電子書籍のいま」にあたり【p1】
電子書籍と図書館―日本の現状と課題【p2-8】
栗山 正光(首都大学東京学術情報基盤センター)
日本の図書館における電子書籍サービスの現状を概観し、課題について考察した。まず電子書籍の定義、次に図書館向け電子書籍の利用形態、購入方法、アクセス制限方式などを説明した。電子書籍ならではの選書方法PDA、国立国会図書館のデジタル化資料送信サービスにも触れた。さらに、既存の調査結果に基づいて、公立図書館と大学図書館における電子書籍の導入状況を示した。最後に、日本語の本の電子書籍化の遅れを指摘し、その充実を課題として挙げた。
iGPublishing のご紹介について【p9-15】
笠間 和喜(iGroup Asia Pacific Limited Japan/iJapan株式会社)
iGPublishing設立の経緯、および独自開発した貸出可能な電子ブックプラットフォーム
「iGLibrary」の各種機能について解説し、また提供可能なコンテンツについて紹介する。
エルゼビア・ジャパン株式会社
 ScienceDirect電子ブック 【p16-20】
鈴木 智栄子(エルゼビア・ジャパン株式会社)
エルゼビアでは、成長著しい研究領域、書籍文献の不足している研究領域を調査・分析し、書籍出版を策定、ピアレビューを経て質の高い書籍コンテンツを刊行し、世界最大のジャーナルプラットフォームScienceDirectで提供しています。ScienceDirectは速報性に優れるジャーナルに加え、研究領域を横断的にカバーし確立された理論を提供する書籍を搭載することで、研究を支援しています。
NetLibrary(EBSCO eBooks)
 和洋学術電子書籍サービスの概要【p21-25】
西田 和之(株式会社紀伊國屋書店 電子書籍営業部)
本稿では、図書館向けの和洋学術電子書籍サービスであるNetLibrary(EBSCO eBooks)についてその概要を図書館業務に関わる人を主な対象として説明する。販売モデルや収録コンテンツの基本的な情報に加えて、利用者向けのインターフェイス機能と図書館員向けの管理者機能、選書発注サービスをより詳しく紹介する。それにより、図書館員が自館で電子書籍を本格的に導入検討する際に、一つの標準的なサービス形態・モデルを理解できることを目的とする。
Springer eBooksのいま
 電子書籍の新しい指標Bookmetrixと利用動向調査報告を中心に【p26-31】
田辺 祐子(シュプリンガー・ネイチャー 
インスティテューショナル・マーケティング)
Springerが出版している書籍はすべて電子化され、Springer eBooksとしてSpringerLinkでオ
ンラインアクセスを提供している。本稿では、機関向けの販売形態をはじめ、電子書籍の新たな指標「Bookmetrix」のほか、日本の研究者における電子書籍の認知度および教育利用のアンケート調査など、Springer eBooksにまつわる最近の変化やニュースを紹介する。
ProQuest Ebook Central
 業界最大規模の洋書電子書籍プラットフォーム 【p32-35】
ProQuest 日本支社
ProQuest社の提供するProQuest Ebook Centralは業界最大規模の洋書電子書籍プラットフォームである。非線形貸出モデルやDDAモデルなど特徴的な契約モデルや利用者機能、管理者機能を中心に紹介する。
電子書籍の利活用と研究・教育・学修環境の充実
 Maruzen eBook Libraryの活用を事例として【p36-41】
金森 正晃(丸善雄松堂株式会社 学術情報ソリューション事業部)
電子コンテンツの図書館への導入が進む中、当社が提供するMaruzen eBook Libraryについても、サービス提供開始から丸5年が経過し、提供タイトル数は38,000点を超え、また導入機関数も国内外で急速に拡大している。これらの導入機関においては、様々な利用促進方法が模索、実行され、電子書籍の利活用を通じた新たな教育・学修環境の確立やさらなる水準向上を目指している。本稿ではMaruzen eBook Libraryのサービス・機能に加え、図書館や研究・教育・学修活動における電子書籍の利活用事例を紹介していく中で、電子書籍に限ることなく、電子コンテンツの充実を通じた今後の新しい研究・教育・学修環境の具体的なあり方を提示したい。
Wiley Online Booksの特徴と契約モデル【p42-47】
岩崎 治郎(ワイリー・ジャパン)
Wiley Online Booksは、Wileyの書籍を電子化して利便性を高めた機関向け電子書籍で、現在1 万9 千タイトル以上が提供されている。本稿では、この製品を、コンテンツと機能上の特徴、閲覧・検索方法、多様な契約モデル、管理者向け機能といった面から解説する。Wiley OnlineBooksは、権威ある出版賞に輝くなど質の高さを裏付けられた書籍を多数収録している。同時アクセス無制限で、DRMによる利用制限が課せられていないことは、利用者にとっての利点となる。契約モデルにおいては、必要な書籍を一点ずつ選ぶ個別タイトル単位の契約から、トライアル期間の利用統計を参考にして契約タイトルを選定するUBCM(有料トライアル)と呼ばれる新しいモデルまで、機関ごとの異なるニーズに合わせて多様な選択肢が用意されている。
電子書籍 調査一覧【p48-51】
電子書籍 照会先一覧【p52】
味の素 食のライブラリー【p53-56】
畠中 朋子
みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜市立中央図書館)【p57-62】
小栗 恵美子
開かれた図書室を目指すために【p63-64】
堀 奈津美
情報便利屋の日記:専門図書館への誘い【p65-66】
村上 陽菜
コピペと捏造
 ~どこまで許されるのか・表現世界の多様性を探る~【p66-67】
梅澤 貴典
平成28年度 専門図書館協議会(北海道地区)見学会 実施報告
 テーマ『札幌市公文書館の市民サービス』【p68-69】
土谷 有子
『第18回図書館総合展』のご報告【p70-71】
第18回図書館総合展フォーラム
 「韓国と日本のオープンアクセス政策と専門図書館の役割」【p72-83】
事務局だより【p84-85】
事務局
各種セミナー報告【p85-86】
事務局