専門図書館293号(2019年1月)特集:さまざまな連携(詳細)

特集「さまざまな連携」にあたり 【p1】
観光の研究・情報のプラットフォームをめざして
 ~旅の図書館における外部連携の取り組み~【p2-7】
福永 香織 公益財団法人日本交通公社 観光文化情報センター 旅の図書館長 企画室長 主任研究員
(公財)日本交通公社旅の図書館は2016年に研究部門とともに港区南青山に移転・リニューアルした。観光の研究や実務に役立つ図書館として、独自分類の構築、貴重性の高い研究報告書や古書の公開性を高めた他、観光研究・情報のプラットフォームを目指し、多様な方が集まれる機会を創出している。当館では、行政、観光関連団体、図書館、博物館、大学、学生などの多様な主体との連携により、地元の観光情報の発信、たびとしょCafeの開催、館内展示の充実、古書研究などをおこなっている。取り組みを積極的に発信し、自らも館外に出てネットワークを構築することで新たな企画が生まれ、図書館としてのプレゼンスの向上につながるのではないかと感じている。当館としてのビジョンをふまえつつ、今後も引き続き内外との連携を進めていきたい。
図書館共同利用制度による大学図書館との連携:
 専門性を活かした外部連携のかたち【p8-13】
村井 友子 能勢 美紀 日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館
近年のウェブによる情報量の増大と研究における電子資料の比重の増大をうけ、多くの図書館が来館者および利用冊数の逓減という問題に直面している。この問題に対してアジア経済研究所図書館がすすめている外部連携、「図書館共同利用制度」は、自館の「専門性」に着目し、それを活かした方策である。本稿では、この「図書館共同利用制度」を通して、専門図書館が取りうる外部連携のかたちと成果、そして課題について論じる。
暮らしに+α(プラスアルファ)を
 ~「本のまち明石」の図書館連携事業について~【p14-20】
品川 恵子 田中 梨枝子 由井 清美 あかし市民図書館 フロアマネージャー
あかし市民図書館は2017年1月に明石駅前再開発ビル内4階に移転・リニューアルオープンした。移転後、様々な図書館サービスを展開している。本稿ではそのなかでも外部連携の取組みについて述べている。駅前に移転したことにより、図書館を取り巻く環境にも変化が現れてきた。同ビル内の他の施設や地域施設との連携事業も進めている。あかし市民図書館は、従来から考えられている図書館の機能を果たすだけではなく、これからの図書館に求められるまちの文化的情報拠点として様々な試みを始めた。まずは図書館の未来と地域の将来について市民と共有共感する場づくりをスタートさせた。あかしでの暮らしは図書館からはじまるといわれるよう、これからもその役割を果たしていきたい。
萩市立萩図書館におけるNPO法人との連携による協働運営:
 その成果と課題【p21-26】江山 規子 萩市立萩図書館
萩市は2011年新図書館開館と同時に、市民が組織した「NPO萩みんなの図書館」との協働運営を開始した。萩市が目指す「協働」は、法人が活き活きと活動する“下請けを超えた運営体”に成熟することである。市職員は図書館運営全般に係るcoordinateを、法人は市からの委託を受けて図書館の基幹業務を担う仕組みである。さらに法人は会員の自主事業による幅広い図書館活動を展開している。法人は「本来的な図書館運営を充実させ、より質の高い市民サービスを提供するこ」と「経費は抑える」という二律背反的な行政の指標に向けて、努力を重ねている。本稿では、協働運営の概要と方向決定の経緯、7年間の成果と課題等を報告する。
龍谷大学図書館における地域・社会貢献の取り組み
 -大津市議会との連携【p27-33】木村 優 龍谷大学図書館事務部
龍谷大学は、1639(寛永16)年に浄土真宗本願寺派本山の西本願寺境内に設立された僧侶養成機関「学寮」を淵源とする大学である。1989年、滋賀県と大津市の誘致と支援により滋賀県大津市に瀬田キャンパスを開設し、理工学部と社会学部を設置した。ここに大津市議会との連携の出発点があった。龍谷大学図書館は、2014年に「本学が有する知的資源の公開や施設の開放等を通じて、地域・社会に貢献する」という目標を掲げている。大津市議会は、政策立案と議会改革に取り組んでおり、議会改革の一つとして「議会図書室の充実」を掲げられている。龍谷大学図書館の「地域社会貢献」と大津市議会の「議会図書室の充実」の動きが、大津市議会議員・大津市議会局職員の大学図書館資料等の利用及び議会図書室の充実・整備に係る相談・協力を柱とした全国初の連携のはじまりとなった。この連携は、開始に至るまでの経緯も現在進行中の取り組みも試行錯誤の途上であることを紹介する。
県市合築のオーテピア高知図書館
 -連携から共同運営へ【p34-40】山重 壮一 オーテピア高知図書館
県立図書館は県内全体をサービス対象とするため、直接サービスと市町村支援等の間接サービスに優先順位はない。しかし、市立図書館は学校図書館支援等を除けば、基本的には直接サービスが主、というより、それがほとんどであり、明らかに直接サービスが優先となる。この差は、県と市の図書館を合築・共同運営した時の資料の運用において特に対立する問題点となる。この問題点は、両者の共有の業務ではなく、固有の業務を徹底することによって克服されるが、これは、リストラ目的の合築では実現できない。リストラを目的とするとき、県市の合築は有効ではないが、予算と人員を大幅に継続的に投入すれば、今までにないサービスを実現することができる。
「全国条例データベース powered by eLen」の取組み【p41-44】米田 憲市 鹿児島大学司法政策教育研究センター
名古屋大学減災館【p45-48】
伊藤 こづえ 名古屋都市センターまちづくりライブラリー
新聞著作物の「ベースキャンプ」【p49-50】西村 比登志 株式会社中国新聞社編集局データ管理部
図書館と法
図書館の諸問題への法的アプローチ 改訂版【p51-52】松本 直樹 慶應義塾大学文学部 図書館・情報学専攻
企業広報誌の世界
-広報誌から企業コミュニケーションを読み解く【p52-53】河 炅珍 広島市立大学広島平和研究所
事務局だより【p54】事務局
各種セミナー報告【p54-56】事務局