専門図書館297号(2019年9月)特集:図書館のリニューアル(詳細)

特集「図書館のリニューアル」にあたり【p1】
再開館後の神奈川県立川崎図書館のサービス展開〜変化したことと、継続すること〜【p3-8】
高田 高史(神奈川県立川崎図書館)
神奈川県立川崎図書館は、2018年5 月に移転・再開館をした。その再開館直後1年間のサービス展開を、おもに、フロア利用の想定と実際、電子ジャーナル・データベースの広報、社史コレクションの活用を取り上げて紹介した。
新しい図書館像へのリニューアル、さらにその先へ~札幌市図書・情報館【p9-15】
淺野 隆夫(札幌市図書・情報館)
本稿では「札幌市図書・情報館」のコンセプト決定から実現への工夫、開館後の利用状況について書した。近年、図書館界では「課題解決型図書館」や「ビジネス支援サービス」の意義について認識が高まってきているが、実現には図書館の概念を「リニューアル」するほどのさまざまな工夫が必要であった。館外貸出を行わない、日本十進分類法での配架を行わない、会話や飲食を可能にした、空間の快適性と機能性を高めた、等はマスコミにも多く語られているところであるが、それらは工夫を凝らした先に必要であったもの、いわば結果論である。その前提として、ひとに寄り添う選書があり、それを可能にしているのは司書の専門性である。開館後、予想以上の利用があり、開館から半年以上経っても毎日3,000人ペースの利用がある。図書館や図書の世界に戻ってきたと語る利用者も多い。この状況から考えると、当館のような新しいスタイルの専門的図書館が各地で成立しえるのではないだろうか。
花王(株)新図書室:Kao Palette Library 始動-セレンディピティを誘発するハイブリッド図書室-【p16-21】
南 孝英(花王株式会社 研究開発部門)
研究戦略に関連するリアロケーションが契機となった図書室のリニューアルについての報告である。旧来の整然と書架が立ち並び、静かに書籍や雑誌等の閲覧を主な利用目的とする図書室から、コミュミケーションを促進するためのスペースやICT(デジタル機器)を導入し、多目的な利用によってイノベーション創出を図る新図書室の紹介と現在の利用状況について報告する。
自学自動の伝統を具現化する知の拠点-日本女子大学新図書館開館-【p22-27】
中曽根 緑(日本女子大学図書館)
日本女子大学は、創立120周年となる2021年4 月、4 学部、大学院5研究科の教育・研究を創立の地である目白キャンパスに統合して展開する。統合に向けてキャンパス構想が始動し、約半世紀ぶりに新図書館を目白に開館した。新図書館は本学の教育理念の実践の場という旧館のコンセプトを継承し、ラーニング・コモンズなど多様な学修スタイルに対応できる環境を整備した。新たな場で利用者の声に耳を傾け、学生の学修支援をはじめとしたサービス向上を図っていく。
東京都現代美術館美術図書室のリニューアル【p28-33】
岩田 郁子(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 司書)
東京都現代美術館美術図書室は、約27万冊の蔵書を有する美術の専門図書室である。美術館の大規模改修工事にともない、約3 年の休室期間を経て2019年3 月29日にリニューアル・オープンした。閲覧室のレイアウト変更、「こどもとしょしつ」とメディアブースの新設、書架の増設など設備変更内容と、休館中の資料保管や閲覧サービスなどリニューアルにまつわる諸々の作業、及び今後のサービスへの展望について説明する。
「全国の災害アーカイブ実施図書館」パネル展【p34-37】
池 田 千 春 (国立研究開発法人防災科学技術研究所 総合防災情報センター自然災害情報室)
世田谷文学館【p38-41】
髙嶋 耕司 (株式会社I H I 技術情報センター)
大切な資料をお預かりできる喜び【p42-43】
大森 崇史 (ナカバヤシ株式会社 図書館ソリューション営業部)
歴史情報学の教科書 歴史のデータが世界をひらく【p44-45】
渡邊 由紀子(九州大学附属図書館/大学院統合新領域学府 ライブラリーサイエンス専攻)
ライブラリアンのためのスタイリング超入門 キャリアアップのための自己変革術【p45-46】
富澤 洋子(ポーラ文化研究所)
事務局だより【p47】
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各種セミナー報告【p48】
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