専門図書館314号(2023年9月)特集:分類(詳細)

特集 分類【p1】
分類の現在的意義基本概念と変化する文脈【p2-9】
山本 昭(愛知大学 文学部)
分類に関する基本的な概念である、書架分類と書誌分類、列挙型と分析合成型、区分原理、階層関係などを、現代の文脈から再考した。その上で、複合主題への対応、分類改訂、分類付与作業などの分類にかかわる現在の問題点や分類への批判をとりあげ、それへの対応を示した。
日本十進分類法(NDC)での分類
―専門図書館における利用の工夫―【p10-15】
藤倉 恵一(文教大学越谷図書館・日本図書館協会分類委員会委員)
日本十進分類法(NDC)は現在新訂10版が刊行されているが、専門図書館での使用は館の特性や規模に応じて様々である。本稿では、NDC 9 版から10版への改訂内容を概観し、専門図書館においても専門主題外で付与することや、書架上での排列主体ではなく書誌データにNDCによる分類を付与することで、一般図書館の利用に慣れた利用者の主題からの資料探索を補助する方法や、主題文献量に応じた詳細度の工夫などを解説する。
アジア研究図書館の書架分類とアジア資料の分類の動向について【p16-21】
徳原 靖浩(東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門)
アジア資料を所蔵する研究図書館では、書架分類に独自の工夫が見られる。その一方、NACSIS-CATにおけるアジア資料の書誌分類の付与状況は低い。本稿では、東京大学アジア研究図書館の書架分類とあわせて、アジア資料の整理に必要な言語記号、地域記号の例を紹介するとともに、書誌分類の付与率の低さを、その背景にある問題とともに指摘する。最後に、書架分類を活かして書誌分類を充実させ、将来的な検索に活用するための課題についても述べる。
蔵書の再構築と独自分類の導入について【p22-28】
大隅 一志((前)公益財団法人日本交通公社、(現)國學院大學観光まちづくりライブラリー)
石田 心、泉 佳奈(公益財団法人日本交通公社 旅の図書館)
旅の図書館は、学術研究機関が運営する旅行・観光分野の専門図書館であり、2016年の研究本部との一体的な移転を機に、本格的なリニューアルを行った。このリニューアルでは、旧館時代の資料とそれまで非公開であった研究本部資料室資料を統合し“観光の研究や実務に役立つ図書館”として蔵書の再構築し、それに伴い新たに 2 つの独自分類を導入した。本稿では、独自分類導入の背景や経緯、分類方法、独自分類導入後の運営状況等について紹介する。
流通経済研究所資料室の分類について【p29-33】
金井 理華(公益財団法人流通経済研究所 資料室)
流通経済研究所資料室は、消費財流通・マーケティング分野に特化した資料収集を行っており、資料整理にあたっては独自分類を採用してきた。十進分類法を基にした独自分類と、雑誌記事については「流通情報インデックス分類」を付与することで、資料を探しやすくしている。近年ではDXの進展や流通業界再編により新しいマーケティング用語や概念が続々と生まれていること、また、コロナ禍により紙媒体資料の刊行が減少し電子資料に置き換わってきたことから、検索の利便性を重視し、独自件名の付与をルール化することで、その変化に対応している。
EDIT TOWNブックストリート 9つの「世界の読み方」【p34-39】
和泉 佳奈子(株式会社百間 代表/角川武蔵野ミュージアム館長補佐)
角川武蔵野ミュージアムの図書空間「EDIT TOWNブックストリート」が目指した世界観は、どこにもないようで、どこかにありそうな、胸騒ぎのする「本の街」です。約 2 万 5 千冊の本は、編集工学者・松岡正剛が監修する 9 つの「世界の読み方」にそって並んでいます。選書をするためのソフト設計の基盤は、読書の可能性を広げる「ブックウェア」という考え方でまとめた「知図」です。大分類「書域」、中分類「書区」、小分類「書列」の 3 ステップが、縦横無尽に関係しあうことで、 1 冊の本が10冊の文脈につながり、その10冊は100冊、そして1,000冊とつながっていきます。このようなネットワーク状の情報世界を「本の街」と見立てました。街並みのように凸凹した本棚、通りを賑わせる看板のような天井装飾、ウィンドウショッピング気分の本の置き方など、本の並びは書棚だけでなく図書空間の全体に及んでいます。
ウェブアクセシビリティって何?【p40-43】
山田 肇(東洋大学東洋大学 名誉教授)
阪急文化財団池田文庫【p44-46】
森 英代(公益財団法人 阪急文化財団 池田文庫 司書)
資料展に想いをのせて【p47-48】
加藤 由美子(公益財団法人 名古屋まちづくり公社 名古屋都市センター まちづくりライブラリー)
さがす・読む・伝える はじめての医学系情報【p49】
佐藤 晋巨(聖路加国際大学 図書館)
電子図書館・電子書籍サービス調査報告2022
これまでの10年とこれからの10年【p50】
栗山 正光(元東京都立大学学術情報基盤センター)