専門図書館319号(2024年12月)特集:大使館・各国ライブラリーで世界を知る(2)(詳細)

特集:大使館・各国ライブラリーで世界を知る(2)にあたり【p1】
アジア・アフリカ図書館
―設立の経緯を中心に【p2-8】
木村 実季(公益財団法人アジア・アフリカ文化財団 理事長)
公益財団法人アジア・アフリカ文化財団が運営するアジア・アフリカ図書館の設立の契機となった「郭沫若文庫」を紹介しながら、図書館開設までの経緯を述べる。加えて、日本には原紙が存在しないと考えられてきた『改造日報』が発見されたことについて、「郭沫若文庫」とのつながりを含めた歴史的な背景を解説する。次いで、貴重図書、コレクションなどを列挙しながら蔵書構成を説明し、最後に三鷹市との「パートナーシップ協定」締結後のここ十年の活動について振り返る。
地域研究を支援する情報の集積地
京都大学東南アジア地域研究研究所図書室の紹介【p9-12】
土佐 美菜実(京都大学東南アジア地域研究研究所図書室)
京都大学東南アジア地域研究研究所図書室は1965年の開室以来、東南アジア及びその相関地域に関係する専門書を中心に資料を収録してきた。現在では約27万冊の資料を所蔵しており、そのうち東南アジア諸言語資料の所蔵数は、約10万冊と国内最大の規模である。本稿では、現地語資料の収集活動に重点を置いてきた東南研図書室の概要や、特別コレクションを説明するとともに、近年の取り組みや簡単な利用方法についても触れている。また、歴史的建造物でもある図書室本館についても紹介する。
オーストラリア・ライブラリー紹介【p13-17】
山田 修(追手門学院大学図書館)
オーストラリア・ライブラリーは、追手門学院大学附属図書館内に設置された日本国内では唯一のオーストラリア専門図書室です。本学オーストラリア研究所(2015年4 月よりオーストラリア・アジア研究所に改組)と長い交流があるオーストラリア政府から寄贈された豪日交流基金寄贈書と、オーストラリア研究所の蔵書を加えて、2007年10月に開設されました。2007-08年度から毎年、豪日交流基金助成金プログラムに申請し採択を得て、洋書のコレクションの充実を図っています。また、ホームページでは「オーストラリア論文データベース」、「オーストラリア研究のためのリファレンス・サイト」、「日本人によるオーストラリア関係記録・写真デジタルアーカイブ」を構築し、日本国内のオーストラリアの研究を支援しています。
インスティトゥト・セルバンテス東京
フェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館【p18-21】
ダビ・カリオン(フェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館 図書館長)
インスティトゥト・セルバンテスはスペイン語の振興と教育、スペインとスペイン語圏文化普及を目的に設立されたスペイン政府の公的機関です。世界に70以上ある支部の中での最大規模を誇る東京センターは1991年に開館しました。この7 階建ての建物6 階にあるのが、2008年11月11日にオープンしたフェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館です。館名は、1898年6 月5 日グラナダ生まれ、1936年に亡くなった、スペイン文学史上最も影響力のある作家の名前がつけられています。当図書館は、400㎡のスペースに、Wi-Fi完備のモダンな設備が整えられ、居心地の良い閲覧室には45の閲覧席・OPAC参照用のコンピュータ2 台、音楽を聴いたりドキュメンタリーや映画を鑑賞するためのスペースが7 つあります。スペイン語とスペイン語圏の文化について多面的な情報を提供することを目的とした図書館を紹介いたします。
カナダ大使館 E・H・ノーマン図書館
「カナダ体感スポット:文化と魅力に触れる場所」【p22-24】
清水 玲子(カナダ大使館広報部 文化担当官)
東京にあるカナダ大使館は、図書館、ギャラリー、シアターを一般に開放している数少ない場所のひとつです。庁舎の見学が可能です。文化施設のひとつ、E・H・ノーマン図書館では、カナダに関する書籍が、英語、フランス語及び、日本語で約15,000冊所蔵されています。E・ハーバート・ノーマンに関する書籍、ルーシー・モード・モンゴメリの『赤毛のアン』も3 ヶ国語の本が揃っています。特別展示やゲームのコーナーもあり、カナダ文化を存分に体感できます。大使館入館には、写真付き身分証明書が必要です。
日仏会館図書室
日仏学術・文化交流の場として【p25-31】
清水 裕子(日仏会館図書室)
日仏会館は、日仏文化・学術の交流及び振興を図ることを目的として設立され、創立100年を迎えた。本稿では、現在の日仏会館図書室の概要と情報提供サービス、展示やイベントの活動、ネットワークとともに、特に1950年代までの図書室の沿革と蔵書形成について紹介する。
AIと共存する図書館の未来を考えよう【p32-35】
越智 洋司(近畿大学情報学部)
防衛省図書館【p36-38】
東本 正行(防衛省大臣官房文書課図書館)
図書室移転に向けて【p39-40】
北橋 朋子(株式会社高速道路総合技術研究所 基盤整備推進部 技術情報課)
女性と図書館 ジェンダー視点から見る過去・現在・未来
(図書館サポートフォーラムシリーズ)【p41】
森 未知(国立女性教育会館情報課)
文書館のしごと アーキビストと史料保存【p42】
古賀 崇(天理大学人文学部)